人形少女と二人ぼっち

「あそこのベンチに座ろう。サンドイッチ用意してきたのよ」

花帆はそう言って、バスケットをいのりに差し出す

「ほんと? 花帆姉、最高!」

いのりは、ベンチのあるテーブルに私の車椅子を寄せてくれた。湖の見える角度で

花帆は、持っていた日傘を、いのりに渡した。

「これ、ましろに差してあげて。車椅子のハンドルのところに固定できるようになってるから」

「あ、うん」

いのりは、パサッと言う音を立てて日傘を広げる。フリルで縁取られた水色の日傘

「これ、ましろの専用?」

「うん、ましろのために買ったの。ドールって直射日光だめなのよ」

「へー。日傘まで、ふりふりなんだ。花帆姉、ほんとぶれないよね」

「ふふ」
花帆は、少し笑って、バスケットの中身をテーブルに広げる

「さあ、二人とも食べてね。早起きして頑張って作ったんだから」

「いただきまーす」
いのりが、サンドイッチに手を伸ばした