人形少女と二人ぼっち

15分ほど走ると、車は大通りに出た。今日は、外の景色が良く見える。私は、外の景色を見ること自体初めてだった。街路樹が規則正しく立ち並ぶ

花帆は楽しむかのように運転している。この車がどうやって動いているのかなんて、私には分からない

やがて、外の景色は、緑が多くなって、建物の数も減った

いのりの手も、いつの間にか震えが止まっていた。私の手は、いのりの体温で、すっかり温かくなっている

いのりも、外の景色が珍しくなったようで、いつの間にか、窓の外を覗き込んでいた

どれくらい車に乗っていたか分からない。花帆は、林を抜ける道の路肩に車を止めた

「さあ、着いたよ。ここからはね、ちょっと歩くの。車椅子出すから、ましろお願いできる?」

「うん…」

花帆は、シートベルトを外して、車椅子を出し、花柄のクロスのかかったバスケットを腕に下げた

いのりも、自分と私のシートベルトを外して、私を車から降ろし、車椅子に乗せ換えてくれた