人形少女と二人ぼっち

そのまま、いのりは、マンションの駐車場まで私を運んでくれた

「車出すわ。後ろの席に、二人とも乗って。車椅子は、折りたたんで、後ろに積むから」

「うん、分かった」

いのりは、私を抱きかかえて、後部座席に慎重に乗せてくれる。それから、反対側の席に乗り込んだ
花帆は、車椅子を車に乗せて、運転席に着いた

「シートベルト、二人とも、ちゃんとしてね」

「あっ、うん…」
いのりは、ごそごそと慣れない手つきで、私と自分のシートベルトを締めた

「行くわよ」
花帆がそう言うと、車はゆっくりと走り出した

窓に、住宅街の景色が流れる。いのりが、私の手を握った

いのりの手は震えていた。私のビスクの指もそれに応えるように動く

平気なふりをしていても、やっぱり外に出るのは怖いのだろう

私は、外に出たのは、2度目だった。花帆が、店から自宅まで運んでくれたとき。あの日は、もう夜遅くて、車の中から外は何も見えなかった