人形少女と二人ぼっち

「花帆姉、できたよ! 入ってきて」

「うん」

ドアの開く音がして、花帆が部屋に入ってきた

「え!? お嬢さま学校の生徒さんみたい。これなら、遠目には、ドールだって分からないかもね」

「でしょ。普通に美少女だし」

ブロンドで、目が青い中学生がいてもおかしくないのかもしれない。指をじっくり見るか、目をのぞき込まない限り、私は、人間と見分けがつかないようだった

「これならさ、ましろ、外に連れ出しても、じろじろ見られたりしないよ」

「そうね。いのり、よく思いついたわね」

いのりが、何を考えていたのか聞いていないから分からない。けれど、いのりは、自分が見られるのが怖いと感じていたからこそ、私を好奇な視線から守ろうとしてくれたような気がした

「へへ、週末、出かけるの楽しみになってきた」

「ほんと? 良かった。私も早起きしてサンドイッチ作ろうかな」

いのりの表情からは、もう、外に出ることへの怖さは伝わってこなかった