人形少女と二人ぼっち

「いのり、夕飯できたわよ。手洗ってきて」

「はーい」

いのりは、小走りに洗面台へ行って、手を洗って戻ってきた

「今日は肉じゃがにしたの」

いつものように、テーブルには、3人分、夕食が用意されている

「おいしそ。いただきまーす」

「ふふ、めしあがれ。ねぇ、今日は何してたの?」

「んー? ましろと話したり、ゲームしたり…」

「え? ましろと話したの!?」

「いや、答えてはくれないよ。わたしが一方的に話してるだけ」

「そう…」

花帆は、しばらく考え込んだ

「ねぇ、いのり…」

「ん? なに?」

「今度の週末、ましろと3人で出かけてみない? すごくきれいな場所があって、いのりに見せたいのよ」

いのりの顔が一瞬強張ったのが分かった。そうだろうと思う。いのりは、ずっとこの家から出ない生活をしている。外に出ることは、簡単なことじゃないはずだ