人形少女と二人ぼっち

いのりが取り出したのはRPGゲームだった

「これならさ、画面見てれば、だいたいのスーリーわかるかなと思って」

それから、いのりは、どんどんゲームを攻略していった

緑の続く丘や、森の中、きれいな湖のある湖畔、古い城壁に囲まれた旧市街。いのりのアバターは、いろいろな場所を駆け巡った

「このゲーム好きなんだよね。景色がすごくきれいだから」

やっぱり、いのりは、外の世界に憧れがあるのだろうか

日が沈んだ頃、玄関の鍵がガチャリと音を立てた

「ただいま、いのり、ましろ」

「あ、おかえり、花帆姉」

「すぐ夕ご飯作るからね」

花帆は、そう言って、ハンドバッグを肩から下ろし、キッチンへと向かった

包丁で何かを刻む、リズミカルな音が聞こえてくる。そのうち、何かを煮炊きする音が聞こえてきた。嗅いだことのない、だけど、身体の中が温かくなるような香りが、リビングまで広がってきた

いのりは、私の隣で、まだゲームに夢中になっている