「私もお人形だったら、何もしゃべらなくていいし、動かなくてもいいのかな。外にも出なくていいのかな」
人形になりたいという人間に初めて会った
いのりと私の髪には、同じマーガレットの髪留めが揺れる
「あ、ごめん、本当にごめん。私、ましろが、お人形としてどんな思いしてきたのか、全然知らないのに。こんなこと言って、最悪だね」
そんなことはないと思うけど
「ねえ、ましろは外に出てみたいって思う?」
私は、自分で動く事すら出来ない。強いて言えば、外に出ることに、興味がなかった
「わたし、2年近くこの家から出てなくってさ。出ようと思うと身体が震えて、耐えられないの
でも、このままじゃいけないとは思ってるんだ」
いのりは、本当は外に出たいのだろうか?
いのりのために、私は何かできるのだろうか?
「また重い話しちったね。お皿洗ったらさ、ゲームでもしない?」
ゲーム? そればどんなものなのだろうか。いのりが、お皿を洗い上げるのを待った
