人形少女と二人ぼっち

湖面の輝く青い湖が、私の青いガラス玉に映る

「ましろ、覚えてるでしょ?」

うん、覚えている

「いのりと3人で初めて来た場所」

でも、あの時と違うのは、湖の周りに桜が咲き乱れていた

「ましろ、あそこのベンチ座ろう」

そう言って、花帆は、私の車椅子をベンチに寄せ、湖の見える方向に向けた。そして、また、日傘を差してくれる

「今日もね、サンドイッチ、作ってきたの」

そう言って、花帆は、バスケットをテーブルにおいて、クロスを取った。サンドイッチを食べ始める

いつものように、私に差し出すわけでもなく、食べたかったら食べてね、という感じだった

「実はね、桜の咲くときに、ましろと二人だけで来たかったのよ」

私のドレスには、桜の花弁が何枚か舞い落ちた

二人だけで?

「だって、いっつも、ましろ、いのりに取られちゃうんだもん」

いのりが、高校を卒業するのを、待っていたの?

花帆は、満足そうにサンドイッチを頬張る