人形少女と二人ぼっち

いのりが旅立った次の日から、私は、また、ラベンダー色のフリルたっぷりのドレスを着て、朝、花帆を見送ってから、一人で過ごす毎日を送っている

もう、いのりの高校に、あの部室に行くこともない

だけど、寂しくはなかった

人形だから、じゃない

きっと、いのりも同じ気持ちで、頑張っているのだろうから


日が落ちて、玄関が開く

「ましろ、ただいま。留守番ありがとうね」

花帆がスーパーの袋を抱えて部屋に入ってくる

「すぐ夕ご飯作るから」

そう言って、花帆はキッチンに立った

花帆は、いのりが家を出てからも、ずっと私と花帆の二人分の食事を作ってくれる

「お待たせ。今日はパスタにしたわ。ましろ、好きそうだから」

私は、一度も食事をしたことがない。だけど、花帆は好きそうだという

「ねぇ、ましろ、明日、私、会社休みだからどこか一緒に出かけない?」

え?

「ほら、学校にも行かなくなったし、気晴らしにいいかなと思って」

私は、答えられない。それが答えになっていた