人形少女と二人ぼっち

うん、いのりは、私と世界を共にしてくれた。でもね、いつまでも、そこにいちゃいけない

「ましろや、みゆと部活できて、文化祭で、ましろと一緒にドール喫茶できたこと、ほんとに嬉しかったんだよ」

私だって…、嬉しかったよ。いのりは、私のために、お人形になってくれた

「あの台の上で一緒に並んだ時だけは、ましろと同じになれた気がした。私達を分けるものなんてなかった気がするんだ」

うん、そうかもしれないね

「ましろのこと、ちゃんと知りたかったんだ」

いのりって、不思議な子だね

でも、そんな、いのりが好きだよ

「ねぇ、時々、夢に出てきてよ」

え? そんなこと、人形にはできないよ

「ましろなら、できるかもしれないじゃん」

できたら、いいね

ゼンマイが緩んで、オルゴールの曲がゆっくりになって止まった

いのりはオルゴールの蓋をそっと閉じた

行くの?

「行く。ましろ、花帆姉のこと頼んだよ」

うん、私は、花帆のものだから