人形少女と二人ぼっち

みゆは、クレンジングを手にしている

「なんか、もったいない気がして」

「なに? また、ドールメイクやってほしかったら、やってあげるよ」

みゆは、いたずらっぽく笑う

「いや、もういい…」
いのりは、笑った

クレンジングを手に取り、みゆは、いのりの手や腕、首や顔のメイクを落としていく

いのりの陶器のような滑らかな肌は、人間の質感に戻っていく

私の瞳のガラス玉は、じっとその光景を映していた

「お風呂入るとき、メイクしたところ、ちゃんと洗顔で洗ってよ」

「うん、分かったよ」

いのりの肌は、人間に戻っても、いつもより少しだけ、ツヤがあった

「ましろの着替え手伝おうか?」

「いや、みゆは、花帆姉の様子見に行ってあげて」

「うん、わかったよ」

みゆが少し笑って部室を後にした後、いのりは私を制服に着替えさせてくれた。

「ましろ、お疲れさま」

うん

今日、いのりは私と同じ世界にいた。その余韻が冷めることはなかった