人形少女と二人ぼっち

「ありがとうございました」

最後の客が教室を出ていった

しばらくして、みゆが近づいてくる

「終わったよ、二人とも」

いのりは、動かない。

いのり…?

「いのり! 大丈夫?」

「え?」

私と指を絡めていた、いのりの右腕から力が抜けた。そして、いのりの身体は、球体関節が緩んだ人形のようにへたり込んだ

「いのり! 大丈夫?」
最後まで教室に残っていた花帆が慌てて駆け寄ってくる

「痛った…。まじで痛い」

「あははは! いのり、その格好で言わないで」
みゆは、笑いをこらえるのが必至なようだ

「だって、足も背中も肩も、すっごい痛いんだもん」

「みゆちゃん、何時間、このポーズさせてたの?」

「えっと…、4時間くらい?」

「え!?」
さすがの花帆も、顔が引きつった

「ずっと同じ姿勢でいるのってこんなに辛いんだね。でも、分かった。ましろも、時々、動かしてあげなきゃいけないんだ」