人形少女と二人ぼっち

「みんな、準備はできた?」
有紗が、みんなに声をかける

「お茶とお菓子の用意は、万全だよ!」
めぐみが答えた

「じゃあ、開店だよ! お客さんには、写真撮影は禁止だったことお伝えしてね」

「はーい」
「分かった!」
「頑張ろう」

クラスのみんなは、やる気に満ちていた

誰かがオルゴールの曲をかける

「開場するよ!」

有紗の掛け声とともに、客が何人か入ってきた。うち学校の学生や、父兄もいる

飾られているいのりと私は、客からは完全に別世界のものだった

席について、紅茶やお菓子を注文し、食べる人

私達に見惚れる人

「かわいい」とか、「綺麗」とか、「本物のお人形みたい」とかいう声が飛び交った

いのりの指は少し震えていた

私のビスクの指も、それに呼応して揺れる