人形少女と二人ぼっち

教室を出て、みゆは私を車椅子で運んでくれた

校舎の廊下を進む2体のドール。片方は自律して歩く

視線は一瞬、集まるけれど、文化祭で仮装している生徒もいるので、みんな横目に通り過ぎる

教室に入ると、作業していた生徒たちは、静まり返った

「かわいい! 二人とも、本物のお人形みたい…」
めぐみが近寄ってきた

「すごいでしょ、実は、私も、ちょっとびっくりしちゃった」
みゆが答えた

「花守、いのりとましろを乗せる台、これでいいか?」
佐久間が声をかけてきた

教室の奥、ベルベットの布が掛けられた台の上に、白いテーブルクロスの掛かった丸い小さなテーブル、その両脇に、アンティーク調のウッドチェアが2つ、配置されている

「さすが佐久間! 完璧。でも、クロスは全部、私が縫ったんだからね」

「それ、言うなよ」

みゆは、ちゃっかりしている

「どうやって座ったらいいの?」
いのりが聞いた

「そうね。ねぇ、谷口、ポーズ決めてよ。美術部なんでしょ?」