人形少女と二人ぼっち

「大学に入ってね。写真を撮らせてほしいって言われて」

「写真?」

「綺麗だから撮りたいって」

綺麗だから…

花帆は、恥ずかしそうにした

「何枚も何枚も写真撮ってくれてね、いろんなところに連れて行ってくれて」

絵を描いてもらっていたことと重なった。少しだけ関節が軋む

「それで、どうなったの?」

「付き合ったよ」

花帆は、その人が好きだったの?

「好きだった。大学卒業するまではね。でも、就職で離れちゃって、結局、続かなかった」

「花帆姉は、それで良かったの?」

「分からない。でも、彼と別れてなかったら、今こうして、いのりやましろと生活してなかったかもしれないしね」

「そんな…」

いのりは、少し申し訳なさそうにした

「いいの、私は今が楽しいから。だからね、いのりも、もしそういうことがあったら、一番楽しいと思えることを選べばいい」

「花帆姉…」

「さぁ、冷めるよ。食べよう」

「うん…」

いのりは、やっといつものいのりに戻ったような気がした