人形少女と二人ぼっち

その日、家に帰ってから、いのりはずっとゲームをしていた。いつもみたいに、話しかけてくれない

「ましろ、今日は、学校楽しかった?」

うん、みゆと、いろいろ話した。それから…

花帆は、私の顔を少し覗き込んでから、また、包丁で何かを刻んだ

「もうすぐ、できるからね」

何かをぐつぐつ茹でる音、それから、何かを炒める音

「いのり、夕ご飯」

「んー。行く」

いのりは、やっとゲーム機を置いて、食卓に付いた

「いのり、何かあったの?」

「別に何でもないよ…」

いのりは、夕飯に手をつける

しばらく、沈黙が続いた

「花帆姉ってさ、誰かと付き合ったことある?」

「なに? 突然…?

まさか、好きな人でもできた?」

「そんなんじゃないってば…」

花帆は、一瞬、険しい顔になった

「まあ、いいわ。あるよ」

「え!? あるの?」

花帆も、誰かのものになったことがあるのか…