人形少女と二人ぼっち

週明けの放課後、私は、みゆと二人きりで、部室にいた

「なんかね、いのり、約束あるから、遅れるって言ってたよ」

そうなのか

「ねぇ、ましろ。ましろに聞かせたいボカロの新曲あってね。一緒に聞かない?」

うん、聞く

みゆは、片方のイヤホンを私の耳に挿してくれた

三拍子の少し切ないメロディに、機械的なかわいい歌声

歌詞の意味はよくわからなかった

「どう? エモくない?」

うん、いいと思う

「これね、女の子が告られて、男の子に溺愛される歌詞なんだ」

告る… 愛される…

人間の女の子というのは、男の子のものになるものなのだろうか?

「そう、この女の子、メロい彼氏の側に、いっつも置いてもらって、愛されるの。シチュやばくない?」

よく分からなかった。私と花帆との関係と何が違うのだろう…

突然、部室のドアが開いた

「みゆ、ましろ、あの、あのね…」

「いのり、どうしたの、そんなに慌てて」

いのりは、青い顔をしていた