人形少女と二人ぼっち

私の視線が嫌だったの?

佐久間は、定規を置いて、椅子の背もたれに寄りかかった

「お前、いのりの親友なんだろ?」

うん、いのりは大切な友達

「俺、いのりのこと、気になってるんだよな…」

気になる…。それは、どう言うこと?

「いのりってさ、飾らないし、素朴なんだけど、そこが、かわいいっていうか…」

うん、それは、そう思う

「いのりと付き合うんだったら、俺はふさわしいと思うか? お前が一番よく、いのりのこと知ってるんだろ?」

付き合う? それは何?

「いのりと、一緒にいたり、もっと話したりしたいんだ」

私も、いのりと一緒にいたい。何が違うの?

「なあ、なんか言ってくれよ」

いや、何も答えられない。私は人形だから

「そうだよな。ましろ、お前は人形だもんな…。答えてくれって言ってる、俺のほうがおかしい」

廊下の方から足音が聞こえてくる。佐久間は、慌てて定規を手に取った