人形少女と二人ぼっち

それから、私は放課後、いのりのクラスの教室で過ごすことが多くなった

私の隣で、佐久間が、定規を使って何か書いている

向こうでは、有紗とみゆといのりが何か話している

にぎやかだ

私の瞳のガラス玉には、佐久間が描く図面が映る

「だからね、紅茶とかケーキとか良い感じのティーセットで出して、いのりとましろのドレスの雰囲気に合わせたいんだよね!」

「でもさ、それ、食器揃えるの大変じゃない?」

「そうなの、クラスで割り当てられてる予算も限界あるしね」

「じゃあさ、また、花帆さんに、お願いしてみる?」

「あー、花帆姉ね。確かにあの人、人数分の食器揃えちゃいそうだけど…」

「うん、いのりのお姉さんにばっかり頼っちゃうのもね…」

「なぁ、宮野…」

ん?

佐久間が声をかける。私?

「え…?」
いのりも、一瞬戸惑った

「あ、悪い。どっちも、宮野だよな…。

なあ、名前で呼んでもいいか?」

佐久間は何かを誤魔化すような顔をしていた