人形少女と二人ぼっち

「ましろは、しゃべれないし、動けないの。お人形なんだ」

「え…」
その少女は、言葉を失う。そして、私の姿を何度も見た

「なんで、宮前が、人形と一緒に、ポーズ取らないといけないんだよ?」
別の男子生徒が、声を上げた

「それは…」
いのりは、さらに拳を握りしめる

「ましろさんは、すばらしいよ。こんな造形美を兼ね備えた女の子はいない」
私の絵を何度も描いてくれた、美術部の谷口だった

「そうよ、ポーズをとってもらうんだから、ましろさんが、しゃべれなくても、動けなくてもいいじゃない?」
さっきの女の子が、口を開いた

「それでも、俺は納得できねぇ。なんで、人形なんだよ」

「あのさ、佐久間。そんな言い方やめてよ!」
いのりは、聞いたことのないような鋭い声を上げた

「ましろは、わたしの大切な友達なんだ。ましろは、ましろなんだ!」

「んっ…」
佐久間と呼ばれたその男子は、しばらく言葉が出なかったようだ