人形少女と二人ぼっち

そうだろうか。あの店主は、いのりを人形として見ていた。あの人は、時々、物と生きている者の境界がなくなる。店にいる時から感じていた

「帰ったら、この服着てみようか?」

「うんん、このまま、学校まで運んであげる。家から部室まで運ぶの大変でしょ?」

「花帆姉は、見なくていいの?」

「うん、文化祭当日楽しみにしてるわ。サイズ合ったかどうかだけ、教えてくれる?」

「うん、分かった」

花帆は、車を走らせて、学校へと向かった

景色がオフィス街から、いつもの見慣れた通学路に移り変わっていく。花帆は、学校の校門の手前で車を止めた

「いのり、この衣装ケース、部室まで運んでおいで。私は、ましろとここで待ってるから」

「あ、うん」

いのりは、車の外に出て助手席に置いてあった衣装ケースを手に取って、学校の敷地に入っていった

「あの子、お人形にされるんじゃないかって、ほんとに怖がってたみたいね。ましろ、ちゃんと見守っててあげてでね」

うん、そうする…