人形少女と二人ぼっち

花帆は、銀の櫛を、テーブルにおいた

「でも、何かしらの形で、ましろとお揃いするんでしょ? 文化祭で」

「うん、たぶんね」

「じゃあ、お姉ちゃんが、ドレス買ってあげる」

え? 花帆は、またお金を出してくれるの?

「だって、私が見たいんだもん、いのりとましろのお揃い。中途半端になんてしたくないわ」

「花帆姉…」

「ましろは、やっぱり、パステル系とか、薄い色味のドレスがいいと思うのよね。だとしたら…」

花帆は、いのりの腕を、ぐいっと引っ張って顔を覗き込んだ

「えっ、なっ、に?」

「いのりは、紫色とかが合いそうだな」

花帆は、うっとりと、いのりの顔を見ていた。いのりは、人形じゃないのに

でも、花帆とみゆのイメージが、ほぼ同じなのが不思議だった

「ねぇ、今度の週末、いのりとましろのお洋服見に行ってみようか」

「あ、うん…。ありがとう」

いのりは、ようやく花帆の腕から離れて、ほっとした顔をしていた