人形少女と二人ぼっち

「いのり…、私、わがまま言ってない?」

「うんん、わがままじゃないよ。わたしもね、ましろがどういう想いで、今まで過ごしてきたのか、知りたいのかもしれない」

「え…。あ…」

めずらしく、みゆは、落ち着きなく、自信のない表情だった

いのりだけだったのかもしれない。かわいいとか、綺麗だからとかじゃなく、ただ側にいるから、いつも話しかけてくれたのは。私と同じ目線で、世界を見ようとしてくれたのは、いのりだけだった

「でもさ、わたしとましろが、お人形やったら、接客はどうするの? 飲み物の用意とか、ぜんぶ、みゆ一人でやるの?」

「あー、そうだよね」

「それに、うちの部活、文化祭の日に教室なんて借りられる? 部室は、狭すぎるし」

「それ考えてなかったー」

「何となく、予想はしてた」

「もう、いのり、ひどい」

「せいぜい、部室で等身大ドールの展示とかになるんじゃない? それにここの部屋、横長なんだよね」