人形少女と二人ぼっち

「そう言ってくれたら、嬉しいよ
ねぇ、今度はカンバスとイーゼル持ってきて良い? それに油彩だからかなり臭いと思う」

「えー、臭いのはやだ」

「とは言っても、絵描きには慣れてるんだけどね」

「ましろは、嫌じゃないの?」
いのりが聞いてくれる

うん、嫌じゃない。もっと、谷口の絵が見たくなった

「谷口、気にしないでいいよ。ましろも、嫌がってないみたいだし」

「そうか、ならよかった、ましろさんが嫌なら、無理強いできないから」

「それは、たぶん大丈夫」

「分かった。絵の具が臭いと思ったら、すぐ換気して」

「うん…」

「じゃあ、俺は、これで失礼するよ。ましろさん、今日は本当に、ありがとう」

私は座っていただけなのに、役に立ったの?

谷口が帰って、みゆが口を開いた

「あいつさ、絶対、ましろに気があるよ」

「わたしは、そんなふうに見えなかったけどな」

「いのりはうぶたよね」