人形少女と二人ぼっち

スケッチブックの線はどんどん緻密になっていく

私には、線が次々と変化していくのが、不思議だった

「ましろさん、疲れない? ずっと同じ姿勢でいて」

うん、疲れない。人形だから

谷口は、デッサンを続ける

「疲れたら、体動かして休憩してくれていいからね」

私には必要ない。それから、30分、40分と、時間が過ぎていった

谷口の視線は、アンティークショップでの視線とは違う、嫌だとは感じなかった

谷口は、鉛筆を置いた

「ねえ、ましろさん、見てもらってもいい?」

うん

そこには、色はないけれど、少し憂いのある儚げで、それでいて凛とした少女の絵が描かれていた

これが私? 私はこう見えているの?

「ましろさん、本当に良い絵が描けた。同じ姿勢を取り続けるの大変だっただろう? でも、すごく書きやすかったよ」

「どれ、見せてよ!」
みゆが駆け寄る

「えっ!? これ谷口が描いたの? なんか、実際のましろより神秘的なんだけど」