人形少女と二人ぼっち

「柚葉町から花園台の一ヶ月普通定期ですね」

駅員さんが、ぱちぱちとデータを打ち込んでく

「こちらです、宮前ましろさん、15歳。氏名、年齢は間違いありませんね?」

「はい」

いのりは、IC定期券を受け取った

「5280円です」

「はい、これで」

「5300円からで。20円のお返しです」

「ほんとに買えた」

「どれどれ、見せて…。ほんとだ! 宮前ましろって書いてる。すごい」

定期というのは人間が持つもののはずだ。本当に不思議だった

「じゃあ、みゆ、また明日ね」

「うん、ましろもまたね」

そう言って、みゆは、手を振って家の方向へ歩き出した

いのりは、車椅子を押して、広い改札口を通ろうとした。2枚のICカードの扱いに慣れていなくて、また戸惑う。改札のフラップドアが私の前で、パタンと閉じた

「お姉ちゃん、1枚ずつ、連続でタッチして」

「はい…」

「車椅子の方だね。エレベーター降りたら、5両目一番前で待っててね」