人形少女と二人ぼっち

「降りる駅にも係員が待機してますので、ご安心ください」

「ありがとうございます」

電車の扉は閉まった。ゆっくりと動き出す。車内でも、私達を気にとめる人は、全くいなかった。こんな光景は日常的なのだろうか

「ましろ、電車乗るの初めてだよね? 楽しい?」

窓の外を景色が素早く移り変わっていくのは、なんだか不思議だった

「もうすぐ着くからね」

電車は、いのりの学校の最寄り駅に着いた。ホームには、駅員さんが、スロープを持って、待機してくれていた

「お姉ちゃん、車椅子後ろ向きにして! そう、ゆっくり引いて降りて。急がなくていいから」

「はい…」

人形のためなのに、すごく手厚いと思った。やっぱり、私は、人間だと思われている?

改札を出て、いのりは、学校へ向かう並木道を、私の車椅子を押して進んだ

下校する同じ制服を着た生徒達と、何度もすれ違う。だけど、やっぱり、私達を、気に留める子は誰もいなかった