『付き合ってない、たぶん』上

落書きが終わり、画面の確認ボタンを押すと、『印刷中だよ!外の取り出し口で待ってね!』と明るいアナウンスが流れる。

カーテンをくぐって外の取り出し口に向かうと、

機械の奥からほんのりと温かいプリントシートが滑り出てきた。

ハサミで綺麗に2つに切り分け、お互いの手に渡る『カップルプリ』。

そこには、手で隠された向こう側で、世界で一番幸せそうに笑い合っている俺たちの姿が、確かに映し出されていた。

蓮はそのシートを愛おしそうに見つめた後、例のスマートフォンの透明なケースの裏側へ、

宝物をしまうように大事に、だけど誰にでも見えるようにスッと挟み込んだ。

「これ、家帰ったらスキャンして、スマホの壁紙にもするから」

「ちょっと、そこまでしたら絶対にみんなにバレるってば……っ!」

俺たちの初めてのプリクラは、蓮の圧倒的な独占欲によって、最高の形で2人の手元に残ることになったのだった。