『付き合ってない、たぶん』上

すっかり安心しきって、ボトルを口から離したそのとき。

正面にいる蓮が、ふいっと顔を背けた。

その耳の付け根が、夕日のように、真っ赤に染まっていることに気づく。

(え……?なんで蓮が照れてるの?)

そのとき、俺は自分の記憶の片隅にある、ある光景を思い出した。

(待って。さっきグラウンドで、蓮、拓海と話しながら……)

確かに、このボトルに口をつけて、普通にドリンクを飲んでいたはずだ。

(じゃあ……『まだ一口もつけてない』って、蓮の嘘……!?)

ドクン! と、心臓がさっきの何倍もの速さで、激しく鐘を鳴らし始める。