『付き合ってない、たぶん』上

(蓮の好きな人って、……まさか、拓海なの……?)

そんな最悪な想像まで頭をよぎって、心臓が、雑巾みたいにギューッと絞られる。

隣のベンチからは、陸と凛が、こちらをじっと見つめていた。

「おい、見ろよ……」

「春の奴、目がマジじゃん」

「作戦、効きすぎだろ……」

周りの奴らの企みなんて、今の俺には、一切気づく余裕もなかった。

ただただ、自分以外の男と距離感バグらせてる蓮を見て、泣き出しそうなほどの嫉妬が、

止まらなくなっていた。

「……あ、俺、ちょっとドリンク、おかわり貰ってくる」

これ以上、二人の姿を見ていられなくて。

俺は、逃げるように、ベンチから立ち上がった。