『付き合ってない、たぶん』上

「あー、マジで疲れた!蓮、ちょっと隣いい?」

午前のハードな練習が終わり、グラウンドのベンチ。

息を切らせた拓海が、当たり前のように蓮の隣に座り込んだ。

それだけなら、いつもの部活の風景だった。

だけど。

「うわ、蓮、あったけー。お前、マジで体幹しっかりしてんな!」

「……おい、拓海。近い。離れろ」

「いいじゃん、減るもんじゃないし!なぁ、蓮、次の練習のメニューだけどさ」

拓海はそう言うと、蓮の肩に、がっしりと自分の腕を回した。

いつもなら、蓮にそんな風にベタベタくっつくのは、絶対に俺の役割だった。