『付き合ってない、たぶん』上

「……おい、拓海。もう起きてるの、俺らだけか?」

「シーッ、声でかいって、陸。蓮のやつ、耳いいから起こしたらマジで怒られるぞ」

午前2時。

完全に消灯した大部屋。

規則正しい寝息が響くなか、部屋の隅に3つの影が集まっていた。

拓海と、さっき付き合ったばかりの陸、そして凛だ。

3人の視線の先には、ぴったりとくっついて眠っている、蓮と春の布団がある。

「見てみろよ、あれ。付き合ってない奴らの距離感じゃねぇだろ、マジで」

拓海が指差した先では、春が蓮の胸元に頭を突っ込み、蓮も自然な動きで、春の腰を抱き寄せていた。

寝ているときすら、あの異常なゼロ距離なのだ。