『付き合ってない、たぶん』上

一方その頃、赤チームを率いる蓮は、内心、別の種類の熱を帯びていた。

(……春、マジでいい動きしてんな)

フィールドを縦横無尽に駆け抜ける、青いビブス姿の春。

細身なのにブレない体幹と、しなやかなプレースタイル。

いつも、俺の腕の中にすっぽり収まって、

「眠くなっちゃった」なんて甘えてくる奴と同一人物とは思えない。

そのギャップに、蓮の胸の奥で、ゾクゾクするような萌えが弾けていた。

(他の奴らが、春を必死に止めようと追いかけてる。……それだけで、なんか、無性にイライラする)

自分のチームのディフェンス陣が、春のユニフォームの袖を引っ張って、強引に止めようとした瞬間。

蓮は、思わず、カッと頭に血が上りそうになった。

(おい、触んな。春に触っていいのは、俺だけだろ……)

そんな独占欲を、強引にプレーへとぶつける。

激しい競り合いの中、ついに俺と蓮が、正面から激突した。

ガツン、と、お互いの肩と肩が、激しくぶつかり合う。

(あ、蓮の匂いだ――……)

(春、やっぱり、ちっちぇえな――……)

一瞬だけ交わった、お互いの視線。

そこには、言葉にできないほどの、熱い情熱がこもっていた。