翌日の午前八時三十分。
公園の駐車場には、大山さんが先に到着していた。
「もう少しでワタルも来ますよ」
応援のワタル君は、イケメンで、今どき珍しいくらいしっかりした子だ。
三十半ばの独身。
「二人なら安心だ……」
そう言うと、大山さんが言った。
「原澤さん、森下さんめっちゃタイプだわ」
「素敵な女性ですよね」
そこから、旦那さんはいるのか、何をしている人なのか……
質問攻めにあっていた。
そこへワタルが来た。
ちょうどいい救い船だった。
仕事は間違いなかった。
淡々と、そして確実に進めてくれた。
お昼はワタルもいたことから、俺が一人でほか弁に行った。
「明太のり弁、三つ」
三人で森下さん宅で食べるつもりだったが、大山さんも弁当を持参して参加した。
四人でリビングのブルーシートに座り、お昼を食べた。
森下さんは、
「わたしも仲間に入れた感じがして嬉しいわ」
と合わせてくれたので、いつもの職人の昼下がりを過ごせた。
ただ、大山さんは森下さんに興味津々で、相変わらず質問攻めだった。
森下さんは嫌な顔を一切せず、冗談を交えながら上手く切り返していた。
大山さんやワタルの職人あるある。
現場とは……
そんなうんちくも嫌な顔をせず聞いてくれていた。
出来た人だな……
素直に認めざるを得ないくらい、圧倒的に場を収めていた。
三時の一服になる頃。
それは、ちょうど間仕切りが完成し終わる頃だった。
合わせるように森下さんが、
「そろそろ一服ですよね」
と言いながら、冷蔵庫からパウンドケーキとアイスコーヒーを用意してくれた。
多分、前日の流れを見て察して用意してくれたんだと思った。
間仕切り壁に気付いた森下さんは、何度もキッチンに立った。
今までの景色との違いに、大いに感動してくれていた。
「原澤さん……」
「ありがとう」
「想像以上かも……」
ウルウルし始めた森下さんを見て、
抱きしめてあげたい。
そう強く思った。
抱きしめてあげたい……
いや。
抱きしめたい。
悶々とする頭を振り払うように、仕事人として答えた。
「ありがとうございます」
「わたしも感じましたよ」
「この壁には意味がある」
「その意味が伝わってきますね……」
気が付けば、二人でキッチンから壁を眺めていた。
森下さんは、
「うん……うん……」
と何度も頷いている。
その左手を、俺はそっと握りしめていた。
リビングのブルーシートにいる二人からは、死角になっているキッチンで……
公園の駐車場には、大山さんが先に到着していた。
「もう少しでワタルも来ますよ」
応援のワタル君は、イケメンで、今どき珍しいくらいしっかりした子だ。
三十半ばの独身。
「二人なら安心だ……」
そう言うと、大山さんが言った。
「原澤さん、森下さんめっちゃタイプだわ」
「素敵な女性ですよね」
そこから、旦那さんはいるのか、何をしている人なのか……
質問攻めにあっていた。
そこへワタルが来た。
ちょうどいい救い船だった。
仕事は間違いなかった。
淡々と、そして確実に進めてくれた。
お昼はワタルもいたことから、俺が一人でほか弁に行った。
「明太のり弁、三つ」
三人で森下さん宅で食べるつもりだったが、大山さんも弁当を持参して参加した。
四人でリビングのブルーシートに座り、お昼を食べた。
森下さんは、
「わたしも仲間に入れた感じがして嬉しいわ」
と合わせてくれたので、いつもの職人の昼下がりを過ごせた。
ただ、大山さんは森下さんに興味津々で、相変わらず質問攻めだった。
森下さんは嫌な顔を一切せず、冗談を交えながら上手く切り返していた。
大山さんやワタルの職人あるある。
現場とは……
そんなうんちくも嫌な顔をせず聞いてくれていた。
出来た人だな……
素直に認めざるを得ないくらい、圧倒的に場を収めていた。
三時の一服になる頃。
それは、ちょうど間仕切りが完成し終わる頃だった。
合わせるように森下さんが、
「そろそろ一服ですよね」
と言いながら、冷蔵庫からパウンドケーキとアイスコーヒーを用意してくれた。
多分、前日の流れを見て察して用意してくれたんだと思った。
間仕切り壁に気付いた森下さんは、何度もキッチンに立った。
今までの景色との違いに、大いに感動してくれていた。
「原澤さん……」
「ありがとう」
「想像以上かも……」
ウルウルし始めた森下さんを見て、
抱きしめてあげたい。
そう強く思った。
抱きしめてあげたい……
いや。
抱きしめたい。
悶々とする頭を振り払うように、仕事人として答えた。
「ありがとうございます」
「わたしも感じましたよ」
「この壁には意味がある」
「その意味が伝わってきますね……」
気が付けば、二人でキッチンから壁を眺めていた。
森下さんは、
「うん……うん……」
と何度も頷いている。
その左手を、俺はそっと握りしめていた。
リビングのブルーシートにいる二人からは、死角になっているキッチンで……



