左手に、優しい圧力を感じた。
暫く、見つめ合う。
もう……
どうにでもなれ。
一瞬、そうよぎった。
けれど、我に返った。
視界に、見慣れた車が入ったからだ。
「あれ……山崎さんの車だな……」
対面するように車庫入れをしている車のナンバーを見て確信した。
725。
山崎 奈津子。
幾度となく通っているコンビニで見る山崎さんのナンバーは、嫌でも記憶されていた。
目が合った。
気まずさと言い訳を必死に練り合わせながら、先に車を降り、山崎さんの元へと近づいていく。
もう、それしかないだろ……
そう言い聞かせながら。
「こんにちは」
ニヤリとした、含み笑いを浮かべながら山崎さんから挨拶をくれた。
「こんにちは」
必死に、
「やましくないよ」
を言葉に結びつけながら説明をした。
すると山崎さんは、
「別に何も言ってないじゃん」
と、すっと言った。
見透かされている感を感じるしかなかった。
車に戻る。
今度は森下さんに、山崎さんの説明をした。
「そっか……」
「わたしが車で食べたいなんて言わなきゃ良かったね……」
寂しそうに話す森下さんを、やっぱり愛おしく感じた。
それと同時に、バッタリ会った山崎さんに、
サイドブレーキ奈津子
と勝手にあだ名をつけ、心の中でお礼を言った。
最初こそ少し暗い感じになってしまったものの、二人は車内でお弁当を食べながら、またたわいもない会話で盛り上がった。
そして、改めて居心地の良さを感じていた。
午後十二時五十五分。
「そろそろ行こっか」
俺が言った。
午後からの作業も順調に進んだ。
大山さんから、
「明日、二人で来て頑張れば終わりそうですね」
と言ってもらえた。
床は半分近く張り終わり、明日の間仕切り側も終わるように段取りができていた。
翌日も、段取り通りに進みそうだ。
帰りの車で、自問自答を繰り返した。
山崎さんに感謝すべきか……
メイン通りから二つ目の信号を左折する頃には、答えが出ていた。
正解、不正解じゃない。
俺が選ぶんじゃない。
山崎さんにバッタリ出会えたのは、
正解以外、なにものでもない。
そういうことに……
ピコーン。
LINEが鳴った。
暫く、見つめ合う。
もう……
どうにでもなれ。
一瞬、そうよぎった。
けれど、我に返った。
視界に、見慣れた車が入ったからだ。
「あれ……山崎さんの車だな……」
対面するように車庫入れをしている車のナンバーを見て確信した。
725。
山崎 奈津子。
幾度となく通っているコンビニで見る山崎さんのナンバーは、嫌でも記憶されていた。
目が合った。
気まずさと言い訳を必死に練り合わせながら、先に車を降り、山崎さんの元へと近づいていく。
もう、それしかないだろ……
そう言い聞かせながら。
「こんにちは」
ニヤリとした、含み笑いを浮かべながら山崎さんから挨拶をくれた。
「こんにちは」
必死に、
「やましくないよ」
を言葉に結びつけながら説明をした。
すると山崎さんは、
「別に何も言ってないじゃん」
と、すっと言った。
見透かされている感を感じるしかなかった。
車に戻る。
今度は森下さんに、山崎さんの説明をした。
「そっか……」
「わたしが車で食べたいなんて言わなきゃ良かったね……」
寂しそうに話す森下さんを、やっぱり愛おしく感じた。
それと同時に、バッタリ会った山崎さんに、
サイドブレーキ奈津子
と勝手にあだ名をつけ、心の中でお礼を言った。
最初こそ少し暗い感じになってしまったものの、二人は車内でお弁当を食べながら、またたわいもない会話で盛り上がった。
そして、改めて居心地の良さを感じていた。
午後十二時五十五分。
「そろそろ行こっか」
俺が言った。
午後からの作業も順調に進んだ。
大山さんから、
「明日、二人で来て頑張れば終わりそうですね」
と言ってもらえた。
床は半分近く張り終わり、明日の間仕切り側も終わるように段取りができていた。
翌日も、段取り通りに進みそうだ。
帰りの車で、自問自答を繰り返した。
山崎さんに感謝すべきか……
メイン通りから二つ目の信号を左折する頃には、答えが出ていた。
正解、不正解じゃない。
俺が選ぶんじゃない。
山崎さんにバッタリ出会えたのは、
正解以外、なにものでもない。
そういうことに……
ピコーン。
LINEが鳴った。



