それからも、あなたは私にその人の話をした。

「今日、こんなこと言われた」

「これって脈ありかな?」

「どうしたらもっと仲良くなれるかな?」

私は毎回、ちゃんと答えた。

「それ、絶対いい感じじゃん」

「もっと話しかければ?」

「頑張ってみなよ」

本当は全部、逆のことを言いたかった。

「やめた方がいいよ」

「私の方を見てよ」

「私じゃダメなの?」

何度も喉まで出かかった。

でも、言えなかった。

だって私は知っていたから。

あなたがその人を好きなのと同じくらい。

その人も、あなたを想っていることを。

だから私は、あなたの幸せを邪魔したくなかった。

最初から。

あなたの幸せしか願っていなかったから。

それが、たとえ私じゃなかったとしても。