目の前にいる詩織は、もうあの頃の詩織じゃない。
7年という時間は、人を変えるには十分すぎるほど長かった。
仕事も変わった。住む場所も変わった。周りの景色も変わった。
それでも、白石詩織を想う気持ちだけは変わらなかった。
「佐野さん」
その声に顔を上げる。
そこには仕事相手として微笑む詩織がいた。
「Aエリアの照明、少し調整したいんですけど」
「わかった。行こうか。」
樹も立ち上がり二人並んで歩く。
開催も終盤に差し掛かりナイトアクアリウムも残すところあと一週間となっていた。
休日ともなれば、館内は家族連れやカップルで賑わう。子どもたちは水槽の前で目を輝かせ、大人たちは足を止めて写真を撮る。
スタッフも最初の頃の慌ただしさはなく、それぞれが自分の役割を理解して動いていた。
一通りの確認を終え、ゆっくり館内を歩く。ふと樹は足を止め、館内を見渡した。
あの日、何度もインカムで指示を飛ばしながら走り回った景色が今は穏やかに流れている。懐かしさを感じながら、訪れている客たちを眺める。みんな笑顔でいる。それだけで口元が緩む。
「……もうすぐ、終わっちゃいますね」
隣に立った詩織が呟いた。
「だな。あっという間だった」
「そうですね。」
見上げて優しく笑う詩織に、樹も笑顔を返す。二人の間にも穏やかな空気が流れる。
「白石さんと、やれてよかった」
「え」
驚いて詩織が樹を見上げる。
「あと一週間、よろしくな」
「……はい」
7年という時間は、人を変えるには十分すぎるほど長かった。
仕事も変わった。住む場所も変わった。周りの景色も変わった。
それでも、白石詩織を想う気持ちだけは変わらなかった。
「佐野さん」
その声に顔を上げる。
そこには仕事相手として微笑む詩織がいた。
「Aエリアの照明、少し調整したいんですけど」
「わかった。行こうか。」
樹も立ち上がり二人並んで歩く。
開催も終盤に差し掛かりナイトアクアリウムも残すところあと一週間となっていた。
休日ともなれば、館内は家族連れやカップルで賑わう。子どもたちは水槽の前で目を輝かせ、大人たちは足を止めて写真を撮る。
スタッフも最初の頃の慌ただしさはなく、それぞれが自分の役割を理解して動いていた。
一通りの確認を終え、ゆっくり館内を歩く。ふと樹は足を止め、館内を見渡した。
あの日、何度もインカムで指示を飛ばしながら走り回った景色が今は穏やかに流れている。懐かしさを感じながら、訪れている客たちを眺める。みんな笑顔でいる。それだけで口元が緩む。
「……もうすぐ、終わっちゃいますね」
隣に立った詩織が呟いた。
「だな。あっという間だった」
「そうですね。」
見上げて優しく笑う詩織に、樹も笑顔を返す。二人の間にも穏やかな空気が流れる。
「白石さんと、やれてよかった」
「え」
驚いて詩織が樹を見上げる。
「あと一週間、よろしくな」
「……はい」
