それから俺は、講義にサークル、バイトに没頭した。相変わらず学内で声を掛けられたり、合コンに誘われたりもしたけど、すべて断った。
無理に忘れようとしていたわけじゃない。ただ、詩織を想わない日は一日もなかった。
気づけば、年末が近づいていた。
「樹、年末どうする?」
「ギリギリまでバイト」
「相変わらずだな」
京平の家で拓馬と三人、酒を飲みながら他愛のない話をする。実家へ帰る日や年末の予定を話しているだけなのに、季節が巡ったことを実感した。
「樹いねぇなら帰ってもなぁ」
「いや、帰れよ。おばさんとか寂しがってんじゃない?」
「お前の帰省の基準を俺にしないでくれない?」
笑い声があふれる。詩織のいない日にはまだ慣れない。
「……なぁ。」
ひとしきり飲んで、笑ったあと。俺は缶ビールを片手に呟いた。京平と拓馬がこちらを見る。
「俺、もう一回だけ詩織に連絡してみようと思う」
一口、缶に口をつける。
「年が明けたらさ、俺らも就活とか始まって今みたいに思うように動けなくなる。」
さらに一口、口にする。
「だからその前に。けじめ、つけとこうと思って。」
「——いいんじゃねぇか」
「樹の思うようにすればいい」
二人の言葉に俺は笑って頷いた。
無理に忘れようとしていたわけじゃない。ただ、詩織を想わない日は一日もなかった。
気づけば、年末が近づいていた。
「樹、年末どうする?」
「ギリギリまでバイト」
「相変わらずだな」
京平の家で拓馬と三人、酒を飲みながら他愛のない話をする。実家へ帰る日や年末の予定を話しているだけなのに、季節が巡ったことを実感した。
「樹いねぇなら帰ってもなぁ」
「いや、帰れよ。おばさんとか寂しがってんじゃない?」
「お前の帰省の基準を俺にしないでくれない?」
笑い声があふれる。詩織のいない日にはまだ慣れない。
「……なぁ。」
ひとしきり飲んで、笑ったあと。俺は缶ビールを片手に呟いた。京平と拓馬がこちらを見る。
「俺、もう一回だけ詩織に連絡してみようと思う」
一口、缶に口をつける。
「年が明けたらさ、俺らも就活とか始まって今みたいに思うように動けなくなる。」
さらに一口、口にする。
「だからその前に。けじめ、つけとこうと思って。」
「——いいんじゃねぇか」
「樹の思うようにすればいい」
二人の言葉に俺は笑って頷いた。
