君の声

 
 録画していた映画が終わる頃には窓の外はすっかり暗くなっていた。楽しい時間は、どうしてこんなに早く過ぎてしまうのだろう。時計に目を向けた詩織が呟いた。
「……そろそろ帰らなきゃ」
「え」
 思わず声が漏れる。詩織が不思議そうに振り返った。
「え、じゃないでしょ。もうこんな時間だよ」
「……もう?」
「もう」
 時計を差して笑う詩織。分かってる。でも俺にはまだ足りなかった。
 毎日電話している。メッセージも送ってる。久しぶりに会えた。今は手を伸ばせば触れられる距離にいる。声を聞くだけなのと、こうして隣にいるのとは全然違う。
「……泊ってけば?」
 気づけば口にしていた。