それから数日——
仕事を終えて帰宅すると、樹はそのまま浴室へ向かった。シャワーを浴び終え、首からタオルを掛けたままリビングに向かう。冷蔵庫から缶ビールを取り出し、プルタブを開けると小気味よい音が静かな部屋に響く。
「っ……うまぁ」
火照った体に冷えた炭酸が染み渡る。二口目を口にしたとき、テーブルの上に置いたスマートフォンの画面が光った。樹はビール片手に画面に目を向ける。
『白石:佐野さん!すごいです!』
日課になったやりとりに思わず口元が緩む。
「今度はどうしたって?」
そう呟きながらスマートフォンを手に取る。
『佐野:どうした?』
『白石:イベントです!』
『SNSでバズってます!トレンド一位!』
『口コミも評判いいです』
『佐野:そうなの?』
『白石:あれ、反応薄い(;´・ω・)』
『佐野:俺あんまりそういうの見ないんだよね』
『白石:(´・ω・`)』
『佐野:笑』
『しょうがない、見てくる』
『白石:(*´ω`*)』
『佐野:確かに盛り上がってるみたいだね』
『白石:嬉しくないんですか?』
『佐野:嬉しいよ。』
『でも、終わるまで気は抜けない』
『白石:佐野さんらしいです。』
『佐野:褒め言葉として受け取っておくよ。』
『そういえば前に言ってた映画、公開されたね』
『白石:そういえば!観ました?』
『佐野:まだ』
『白石:私もです』
樹は画面を見つめたまま親指を止めた。
「……映画くらい、普通だよな」
そう自分に言い聞かせるように呟いて文字を打つ。
『佐野:一緒に行く?』
すぐに既読がついた。それまでテンポよく返ってきていた返事が止まった。
「……いきなりすぎたか」
樹は思考を誤魔化すようにビールを口にする。
『白石:行きたい、です』
「……よし。」
誰もいないリビングで小さくガッツポーズをする。手元のビールの水滴が流れ落ちた。
仕事を終えて帰宅すると、樹はそのまま浴室へ向かった。シャワーを浴び終え、首からタオルを掛けたままリビングに向かう。冷蔵庫から缶ビールを取り出し、プルタブを開けると小気味よい音が静かな部屋に響く。
「っ……うまぁ」
火照った体に冷えた炭酸が染み渡る。二口目を口にしたとき、テーブルの上に置いたスマートフォンの画面が光った。樹はビール片手に画面に目を向ける。
『白石:佐野さん!すごいです!』
日課になったやりとりに思わず口元が緩む。
「今度はどうしたって?」
そう呟きながらスマートフォンを手に取る。
『佐野:どうした?』
『白石:イベントです!』
『SNSでバズってます!トレンド一位!』
『口コミも評判いいです』
『佐野:そうなの?』
『白石:あれ、反応薄い(;´・ω・)』
『佐野:俺あんまりそういうの見ないんだよね』
『白石:(´・ω・`)』
『佐野:笑』
『しょうがない、見てくる』
『白石:(*´ω`*)』
『佐野:確かに盛り上がってるみたいだね』
『白石:嬉しくないんですか?』
『佐野:嬉しいよ。』
『でも、終わるまで気は抜けない』
『白石:佐野さんらしいです。』
『佐野:褒め言葉として受け取っておくよ。』
『そういえば前に言ってた映画、公開されたね』
『白石:そういえば!観ました?』
『佐野:まだ』
『白石:私もです』
樹は画面を見つめたまま親指を止めた。
「……映画くらい、普通だよな」
そう自分に言い聞かせるように呟いて文字を打つ。
『佐野:一緒に行く?』
すぐに既読がついた。それまでテンポよく返ってきていた返事が止まった。
「……いきなりすぎたか」
樹は思考を誤魔化すようにビールを口にする。
『白石:行きたい、です』
「……よし。」
誰もいないリビングで小さくガッツポーズをする。手元のビールの水滴が流れ落ちた。
