君の声

 短い沈黙のあと、スポンサー側の担当者が頷いた。
『今回は、このまま進めていただいて構いません。ただし、今後変更が必要になった場合は、必ず事前にご相談ください。』
「ありがとうございます。承知しました。」
 通話が切れ、モニターが暗くなる。
 樹はしばらく、その場に座ったままだった。
 完全に何もなかったわけじゃない。それでも、ひとつだけ確かなことがある。
 ——これで詩織の声で進められる。

 ◇