君の声

 ◇

「じゃあ俺、そろそろ行くわ」
 荷物を持ち、立ち上がった樹が言う。一瞬、スマートフォンを確認した拓馬には気づかない。
「向こうに着いたら連絡しろよ」
「おう」
「かましてこい」
「任せろ」
 二人と拳を合わせる。それは部活中に交わした合図だった。二人に背を向け、一歩を踏み出した。