少ししてドリンクが届き、幹事の広瀬の音頭で打ち上げが始まった。料理も次々に運ばれてきて、それぞれが会話に花を咲かせている。樹はその光景を眺めながら、ようやく安堵と達成感が胸に広がっていくのを感じていた。
2時間ほど賑やかな時間が過ぎた頃、広瀬が立ち上がった。
「みなさん、楽しまれてますか?そろそろいい時間なので一次会、ここで締めたいと思います」
その時、樹は広瀬と目が合った。
「締めの挨拶を、佐野樹チーフにお願いしたいと思います!先輩、お願いします!!」
「……え、俺?」
突然の指名に驚く樹。数人の部下たちが「よっ!佐野チーフ!」なんて盛り上げる。少し考えて樹は立ち上がった。
「急に振るなよ。」
小さな笑いが起きる。
「今日はお忙しい中、こうやってたくさんの人が集まってくれてありがとうございました。みんなのおかげで、無事やり遂げることができたと思ってます。ヴォイスパレットのみなさん。難しい指示も出したと思います。でも力を貸してくれてありがとうございました。今回のこのイベントが誰かの心に残る思い出になってくれてたら嬉しいです。ありがとうございました。」
言い終えると樹は深く頭を下げた。座敷に大きな拍手が響く。顔を上げると、目の前の広瀬が今にも泣き出しそうな顔をしていた。
(泣くなよ、ばか)
樹は呆れたように小さく笑った。
「先輩!二次会!二次会行きましょ!」
「お前、飲みすぎ」
「いいんです!今日は!」
店を出て、樹は広瀬に捕まっていた。呆れながらも酔った広瀬に合わせて歩く樹はどこか嬉しそうだった。その後ろ姿を詩織は少し離れたところから見つめている。
「あの二人、ほんとに仲良いですよね」
「いいパートナー!って感じですよね」
隣に立った女性社員たちの会話が聞こえる。
「白石さんはどっち派ですか?」
「へ?」
突然振られた話題に詩織は思わず声を漏らした。
「佐野チーフと広瀬さんですよ。」
「うちの二大イケメンです!」
「うちの女性陣、結構意見分かれるんですよ。」
いつの間にか詩織は樹の会社の女性社員に囲まれていた。
「そう、ですね。私は……」
戸惑いながら思わず視線は樹へ向いた。広瀬に腕を掴まれながら困ったように笑っている。
胸が少しだけ苦しくなった。
(私は……)
「——!白石さん、女子会しましょ!」
「え?」
「もう男性陣は二次会行くみたいだし、私たちは私たちで飲みましょ!」
「私たち、白石さんとゆっくりお話ししたかったんです!」
目を輝かせる女性たちに連れられ、詩織は樹たちとは反対の方向に歩き出した。
樹は一瞬だけ足を止めて振り返る。女性たちに囲まれ笑顔を見せる詩織を静かに見つめると、安心したように笑って前を向いた
2時間ほど賑やかな時間が過ぎた頃、広瀬が立ち上がった。
「みなさん、楽しまれてますか?そろそろいい時間なので一次会、ここで締めたいと思います」
その時、樹は広瀬と目が合った。
「締めの挨拶を、佐野樹チーフにお願いしたいと思います!先輩、お願いします!!」
「……え、俺?」
突然の指名に驚く樹。数人の部下たちが「よっ!佐野チーフ!」なんて盛り上げる。少し考えて樹は立ち上がった。
「急に振るなよ。」
小さな笑いが起きる。
「今日はお忙しい中、こうやってたくさんの人が集まってくれてありがとうございました。みんなのおかげで、無事やり遂げることができたと思ってます。ヴォイスパレットのみなさん。難しい指示も出したと思います。でも力を貸してくれてありがとうございました。今回のこのイベントが誰かの心に残る思い出になってくれてたら嬉しいです。ありがとうございました。」
言い終えると樹は深く頭を下げた。座敷に大きな拍手が響く。顔を上げると、目の前の広瀬が今にも泣き出しそうな顔をしていた。
(泣くなよ、ばか)
樹は呆れたように小さく笑った。
「先輩!二次会!二次会行きましょ!」
「お前、飲みすぎ」
「いいんです!今日は!」
店を出て、樹は広瀬に捕まっていた。呆れながらも酔った広瀬に合わせて歩く樹はどこか嬉しそうだった。その後ろ姿を詩織は少し離れたところから見つめている。
「あの二人、ほんとに仲良いですよね」
「いいパートナー!って感じですよね」
隣に立った女性社員たちの会話が聞こえる。
「白石さんはどっち派ですか?」
「へ?」
突然振られた話題に詩織は思わず声を漏らした。
「佐野チーフと広瀬さんですよ。」
「うちの二大イケメンです!」
「うちの女性陣、結構意見分かれるんですよ。」
いつの間にか詩織は樹の会社の女性社員に囲まれていた。
「そう、ですね。私は……」
戸惑いながら思わず視線は樹へ向いた。広瀬に腕を掴まれながら困ったように笑っている。
胸が少しだけ苦しくなった。
(私は……)
「——!白石さん、女子会しましょ!」
「え?」
「もう男性陣は二次会行くみたいだし、私たちは私たちで飲みましょ!」
「私たち、白石さんとゆっくりお話ししたかったんです!」
目を輝かせる女性たちに連れられ、詩織は樹たちとは反対の方向に歩き出した。
樹は一瞬だけ足を止めて振り返る。女性たちに囲まれ笑顔を見せる詩織を静かに見つめると、安心したように笑って前を向いた
