キスから始まる恋は甘くて苦い

「ここならゆっくり話せるんじゃないか?」

 蒼一が案内したのは、学校とほたるの家の間くらいに位置する公園だった。
 公園の入口に自転車を停め階段を下りる。広さはサッカーができるくらいあり、遊具もいくつか置いてある。

「わあ、懐かしい……小学生のとき、よく遊びにきました」

 ほたるは久しぶりの場所に少しはしゃいだ。その様子を微笑みながら見守る蒼一。

「俺はたまに来るよ。この景色見たら元気出るんだよな」
「そうですね」

 土地自体が高台にあって街全体を見渡せる場所にベンチが並んでいる。ふたりは並んでそこへ腰かけた。
 昨日の雨が空気を洗い流し、遠くに連なる山々まで見通せるほど空気が澄んでいる。

 ここなら、誰にも邪魔されないだろ。

 蒼一は隣に座るほたるを見やった。

「今日はいい天気でしたね」

 遠くを見つめ、ここに漂う空気のようにピュアな横顔に見惚れる。