キスから始まる恋は甘くて苦い

「……メガネは?」

 顔を合わせた瞬間、蒼一は驚きの一声を上げた。

「あれは、私のじゃないんです」

 そして、悩んでいたことが馬鹿らしくなるほど真相はあっけなく判明した。

「今日、部活が終わったら話せませんか?」

 妄想力たくましい自分に呆れている蒼一には気づかず、ほたるは初めて自分から彼を誘った。

「……今じゃだめなの?」

 しかし、どこか嫌な予感がした蒼一はうかがうように声をひそめた。

「込み入った話なので」

 それでも、真剣に何かを伝えようとしてくれていることは伝わってくる。

「わかった」

 観念して、蒼一はその誘いを受け入れた。