キスから始まる恋は甘くて苦い

「桂ちゃん、聞いてほしいことがあるんだ」
「うん?」

 お弁当箱を片したあと、桂は神妙な口調のほたるを見返した。

「このままじゃいけないって気づいて、私にもできることを考えたの」

 話は唐突だったけれど、事情を知っている桂はすぐに話を合わせることができた。

「そっか。教えてくれるの?」

 ほたるはうなずいて、まずここ数日で起きた出来事を話してくれた。
 恥ずかしいからキスをされたことは伏せて説明する。そして、これから自分が何をしたいかを告げた。

「うん、いいと思う」

 桂の同意に、自信を得たほたるが微かな笑みを浮かべる。

 辰巳先輩がきっかけを作ってくれたんだね。

 久しぶりに見る親友の微笑に桂は嬉しくなって。

「ちょっと、飲み物買ってくる」

 ほたるの好きなミルクティーをおごってあげたくなり、勢いよく席を立った。

「ここ、いい?」

 桂が行ってしまったあと、省吾が彼女の席を指差して尋ねてきた。

「桂ちゃんが戻ってくるまでなら」
「じゃ、失礼」

 ほたるの前に座り、片手で頬杖をついて話し出す。