キスから始まる恋は甘くて苦い

 自分の勉強はそこそこに蒼一はほたるを飽きずに眺めていた。
 時折悩んで手を止めたり、何かを書き込んだり、真剣な横顔を見ているとなんだか癒される。

 居心地が良いんだよな。

 ほたるといると、どこかホッとする。
 それなりに内面を知った今も、気持ちが冷めることはなくて。知れば知るほど手放したくないと思ってしまう。

 ずっと俺だけのものにしたい、と。

 癒しとは程遠く、そんな乱暴な欲望も芽生える。
 だけど、この関係は存続も終了もほたる次第。自分は好きになってくれるのを待つしかない。

 好きになってもらえなかったら?

 何度もよぎる嫌な想像に蒼一はローソファに背を預けた。

 俺は自分のことばっかだな……

 ほたるがそんな場合じゃないことはわかっているつもりでも、求めてしまう自分に嫌気が差して。
 現実逃避するように目を閉じる。