だから俺にしなよ

「はぁ〜」

あいつの泣き顔可愛かったな。

めっちゃ綺麗な顔をしてた。

いやいや、俺はなんてこと考えてんだ…

「あぁ、もう!」

あいつ、海那と出会ったから俺の心は乱れたまんまだ。

一番最初に出会ったときは、海那に言った通りバカなやつだと思っていた。

自分よりも他の人を取る、そんな考え方は嫌いだ。

海那は偽善者、まあ悲劇のヒロインぶってるって感じ。

屋上で話したとき、海那は俺に助けを求めた。

昨日も電話をかけてまで。

それが嬉しくて、頼ってもらったのが嬉しくていつのまにかあいつは俺の中にいつもいた。

だけど、俺の中の海那はいつも泣いている。

いや、現実でもか。

光も友達も自分のいいようにしやがって。

特に光は俺に何も言わなかった。

言ってくれたらもっと早く海那のそばに入れたのかもしれないのに。

今更後悔しても遅い。

俺が助ける、あいつを心から笑わせてやる。

きっと、俺は

海那が好きなんだ。

「俺はあいつのことが」

でも、海那は光のことが好きなんだろう。

俺はあくまでも海那の幸せを選ぶ。

初めて、自分より他人を選んでしまう海那の気持ちがわかったような気がした。