『告白するまで、3・2・1』

「おい、置いてくぞ悠星」

「待てよ、蓮」

俺はノロノロと歩き出し、抱えた教科書をぎゅっと腕に力を込めて抱え直した。

頭の中は、さっきの裕音と陸の笑顔でいっぱいだった。

「なんなんだよマジで。塾が一緒ってだけで、あんな仲良くなれんの?」

「まあ、週に何回も同じ教室で勉強してりゃ自然と話すだろ」

「俺だって小6のときは普通に話せてたし! 」

「それは過去の話。今の裕音にとって、お前は『気まずい相手』で、陸は『話しやすい友達』ってことだろ」

蓮の冷徹な正論が、突き刺さる。

「……クソ。俺には目すら合わせてくれないのに」

「そんなに悔しいなら、陸に負けないくらいアピールしろよ。ヘタれてる場合じゃないだろ」

理科室のドアが見えてくる。

俺は唇を噛み締めながら、心の中で陸への対抗心を燃やしていた。