ただの後輩だった、はずなのに。

数日後。

バイト先に着いて、タイムカードを押す。

「おはようございます」

挨拶をしながらレジの方へ向かうと、見覚えのある後ろ姿があった。

朝倉くんだ。

「あ、成瀬さん。おはようございます。」
「おはよーう」
「今日忙しいですかね」
「どーだろう?笑」
「成瀬さんは今日も21時ですか?」
「そうそう、朝倉くんも?」
「はい笑」

レジに立つとお客さんが私のレジの方に来た。

「いらっしゃいませー」

お客さん対応をしていると、他のお客さんが並び始める。

今日は忙しくなりそうだと、すぐに分かった。

数十分が経ちようやく、落ち着き始めた。
レジ袋の方を見ると、もうすぐになくなりそうだった。

レジ袋補充したことないなぁ。
朝倉くんわかるかな。

朝倉くんの方を見ると、お客さん対応をしていなかった。

「あ、朝倉くん、レジ袋の補充わかる?」
「分かりますよ。てか僕やりますね」
「え、いいの?」
「はい笑」
「ありがとう」

そういうと朝倉くんは軽く会釈をした。

朝倉くんがレジ袋を補充し終わったから、お礼を言おうとしたら、お客さんがレジに並んだ。

「いらっしゃいませー」
「お願いします」

お客さん対応が終わる頃には、朝倉くんも自分のレジに戻っていた。

さっきまで当たり前みたいに話してたのに、今はお互い別々に仕事をしている。

ふと、補充されたレジ袋に目がいった。

朝倉くんって、意外と気が利くんだな。

そんなことを思いながら、私は次のお客さんを迎えた。

それからは忙しい時間が続いた。

お客さんが途切れた時に少し話して、またレジに戻る。

そんなことを何度か繰り返しているうちに、気づけば時計は20時半を過ぎていた。

私は外の買い物カゴをお店の中に入れ、並べた。
子供用の買い物カゴも中に入れ、一緒に並べた。

レジに戻ると、また少しお客さんが朝倉くんのレジに並んでいた。

「お待ちのお客様〜空いてますよ〜」

そういうとお客さんは私のレジに並んだ。

お客さん対応をしていると、21時になった。
朝倉くんの方のレジはもうお客さんはおらず、レジ休止中の看板を置き始めた。

いいなぁ。私も置きたい。

そう思っていたら、後ろから朝倉くんがレジ休止中の看板を置いてくれた。

「成瀬さんのも置きますね。」
「ありがとう。」

そうしてお客さん対応が終わり、私は事務所に戻った。

事務所には誰もいなかった。
服を着替え、カバンを肩にかけた。

「お疲れ様でしたー」
「お疲れ様でした」

後ろから社員さんの声が聞こえた。
軽く会釈をして、事務所から出た。

よく話しかけてくれる。
レジ袋を補充してくれる。
頼んでないのに看板まで置いてくれる。

朝倉くんって気が利くんだなぁ